私がキュレーションしたショーが明日から銀座で始まります。
ビクターカスティーロというチリ人のアーティスです。
こちら
東京の方はぜひ足をお運びください。
期間中にギャラリーで写真をとってmegumi ogita galleryのフェイスブックにアップするか、ツイッター、インスタグラムで#victorcastilloのタグをつけてアップしてくれた方の中から抽選でビクターのプリントを差し上げます。
この度メグミオギタギャラリーでは、南米チリ、サンディアゴ出身の世界的アーティスト、ビクター・カスティーロの日本初個展、"MORIR, MORIR, MORIR / シ、シ、シ"を開催します。
ビクター・カスティーロは1973年、チリ・クーデター敢行の年に誕生しました。
その翌年から以後15年に渡り敷かれることとなる、ピノチェット政権の軍事独裁体制による情報操作と抑圧の下で幼少期を送ったことは、彼に「物事の裏に隠されたもの」を見つめようとする眼を植え付けました。
情報操作による「作為」は、誰もが普段目にするテレビ番組や、広告の中は勿論、子供向けのアニメーションやコミックの裏にさえ二次的、三次的に歪められ仕組まれていると、ビクターは云います。
彼の作品の中には作家が幼少期に目にしたテレビアニメやコミックから影響を受けたキャラクター達が登場し、互いに良からぬ企てを囁き合い、策士のような妖し気なほほ笑みを浮かべています。そこでは戦争、宗教、カルチャーを想起させるシンボルが点在し、既に生命力を失った、暗く、終末のような世界へと溶け込んでいます。
ビクターは、創作の源泉であるイノセントなおとぎ話の中に入り込み、そこから主人公を消し去ってしまうのです。そうして主体性を見失ったストーリーはゆっくりと不協和音を奏で始め、やがて、終わりの見えない悪夢と化します。
今展のタイトルである"MORIR"とは、スペイン語で「死」を意味します。
今年の夏に病に倒れたことで死を強く意識することとなったビクターは今回「死」をテーマに新作を描きました。
死とは生の対局に位置するのではなく、常に隣り合わせであることを、ビクターのキャラクターたちは観客に囁きかけます。
親和性と違和感の同居したビクターの物語を前に、私たちは、我々を取り巻く環境、あるいは私たちの存在そのものについて今一度自分自身に向かって問い直さずにはいられなくなることでしょう。
ビクターは2004年にスペイン、バルセロナへ移住、現在はロサンゼルスに在住し、母国、チリは勿論、スペイン、フランス、ドイツ、ニューヨーク等、世界各地のギャラリーや美術館で展覧会を行い、国際的に活躍の場を広げています。
メグミオギタギャラリーでは2013年5月に開催した「世界の版画展」に続く2回目の発表となりますが、個展は今展が日本初となります。一見アニメのキャラクターのようなイラスト風の絵の内側にビクターの強い核となるものを作品から感じ取ってもらえることでしょう。
「光と闇」による「生と死」を表現した、新作のオリジナルペインティング、ドローイング、版画を展示致します。
生きる時代の代弁者として世界の美術史に一石を投じる南米の新鋭アーティスト、ビクター・カスティーロの"MORIR, MORIR, MORIR / シ、シ、シ" に是非ご期待下さい。
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